ぎゅっ
「静雄さんが抱きついてくるなんて珍しいですね」
「あ?あーまあ、そうだな」
言われてみればそうかもしれない。そもそも2人でゆっくりできることが珍しいから、というのもあるとは思うが。いつもなら何かしら邪魔が入るためのんびりすることすらできないのだ。
「どうかしましたか?とは言っても、僕としては嬉しい限りなんですけど…。あ、静雄さんの匂いがする」
俺を抱き返しぎゅうぎゅうひっついてくるが苦しくはない。(以前それを伝えたら非力ですから、とそっぽを向かれた)匂いを嗅ぐためか顔を肩に埋めていると思うと、落ち着く体勢を見つけたらしく俺に体を預けてきた。無防備すぎると思わなくもないが、それが俺に対してだというのなら嬉しいかもしれない。・・・ベタボレにも程があるだろう、自分。俺がそんなことを考えていることは露も知らず、未だ腕の中に居るこいつは顔を埋めたままで独り言をつぶやく。
「やっぱり落ち着くなぁ。」
「〜〜〜!」
その言葉は反則だ!俺はあふれる欲望を抑えるのに必死でいた。それにもかかわらず帝人はほんともう臨也さんは〜と、ノミ蟲のことについて愚痴をこぼしている。最近よく目の前に現れると言っていたから、今日もまた居たんだろう。毎度毎度池袋に来るなと言っているのにもかかわらず、だ。しかし、今日は臨也に対しての怒りよりも心の奥に現れたどろどろした感情の方が深刻で。
「帝人、ちょっと顔上げろ」
帝人はきょとんとしながら少し顔を上げる。わざとやってるんじゃないだろうが、それは上目使いとよばれるものだ。普段ならいつ見てもちっちぇなあとからかってやるところだが、俺の頭にはそんな余裕も残されていなかった。帝人の顔が近いなと気がついた時にはもう手遅れで、知らぬ間に帝人のあごに手をかけて、キスしていた。
はずかしい・・・!ちょっと穴掘って埋まってきます!
あと静ちゃん視点難しい。もっとセリフの間書こうかと思ったけど恥ずかしすぎて無理でした。
10/02/07
【修正+追記】
文章おかしかったので修正。薄字も変更。
なんでこんなにかわいいんだ!→お前がかわいいのが悪い!
ちょっと、積極性が、アップするかなー・・・なんて・・・
10/02/08