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騒がしい日常も嫌いじゃないけど、

 浮上する意識。遠くから聞こえてくる携帯電話のアラーム。それは徐々に大きくなって僕を現実にひっぱる。
 「起きなきゃ」と思うのに瞼が開かない。布団の中の温度が心地よくて二度寝に入ってしまいそうだ。もう少しだけ、と自分に言い聞かせ身じろぎすると自分が抱きかかえられていることに気付いた。

「あれ」

 無理矢理目を開いたせいか目の焦点が合わない。しかしぼやけた視界の中には見慣れた金色の髪。
 そういや昨夜は一緒に寝たんだっけ。
 抱きかかえられているのは構わないが起き上がれない。力を入れているようには見えないのにビクともしないのだ。単に僕が非力なだけだったりしたら切ないなあ。
 申し訳ないけどそろそろ離してもらわないと二度寝に突入してしまいそうだ。

「静雄さん」
「んー・・・」

 呼びかけてみるとまだ起きないようで間延びした返事が返ってきた。ちょっとかわいいかもしれない。

「起きてください、静雄さん」

 少しなら動く手でパシパシと叩いてみる。

「いま、なんじだ・・・?」

 舌ったらずに聞いてくるこの姿を見ていると、普段の彼とは別人のようだ。いつもなら見れるはずのない寝顔を目に焼き付けようと観察してみる。
 少し経っても静雄さんに起きる様子はなく、眉間にしわを寄せたまま再び眠りの体勢に入ろうとしている。
 寝るのはいいが手は離してもらいたい。

「そんなこと言ってないで起きてください。それかせめて離してください」
「うるさい・・・。テメー、もう、だまれ」
「わっぷ」

 寝ているのを邪魔されて不機嫌なのかちょっと口が悪くなった。でもまだ寝ぼけているようで、いつもの口調のはずなのに迫力なんてまったくない。
 黙れと言われるのと同時か言われてからか、腕に力を込められ引き寄せられる。
 先ほどまではほんのわずかな隙間があったのに、今は密着していて呼吸するのすら困難だ。静雄さんに文句を言おうと体を動かしているにもかかわらず、静雄さんは「あったけー・・・」とつぶやいて黙ってしまった。
 十数秒奮闘し、ようやく身体をずらし楽な状態になることができた。安心して一息ついていると頭上からスースーと規則正しい寝息の音。

「ね、寝ちゃった・・・」

 これじゃあ起きれないじゃないか!そうは思うけれど気持ちよさそうに寝ている姿を見ているとなかなかに起こしづらい。
 こうなってしまうと先に折れてしまうのは僕の方だ。もういいや、と体を近づけすりよせる。人肌ってあったかいなあと思っているうちにうとうとしてきた。
 逆らうこともなくそのまま意識はブラックアウト。

(たまにはこんな朝もいいかもしれない!)




「あーねみぃ。・・・お前がまだ寝てるなんて珍しいな。なんかあったのか?」
「知りません自分の胸にでも聞いてください」
「は?お前顔真っ赤だぞ」

人肌って安心しますよね。
帝人は普通に寝起きいいんじゃないかな。静ちゃんは寝起きかわいいといいな。
うざやさんは普段は早起きだけど、人に起こされると機嫌最悪だといいと思います。自己中!
静帝かわいいです。でもかっこいい静ちゃんも大好物です。
10/02/10