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静帝

「ん」

隣にいる竜ヶ峰をちらりと見やれば、頭にゴミがついているのが見えた。

「どうかしました?」

「あーいや、髪にゴミがついてる」

えっ、と驚いた声をあげゴミを取ろうと奮闘しているが、自分ではなかなか取れないようでかすりはしているがゴミは髪についたままだ。

「取れました?」

「いや・・・もうちょい右だな」

言ってやるとまたゴミをとろうとしてはいるが、やっぱりついたままで。まだ取れていないと告げるとやはり自分では分からないのか眉をしかめている。

「ちょっと待て」

見かねて取ってやろうと手を伸ばす。しかしはたと気がつきもう少しで髪に触れるというところで動きを止める。

「あー・・・髪、触っても、いいか?」

こちらを振り返りきょとんとした顔で見つめられる。あれ、変なこと言ったか?と思って内心あせっていると竜ヶ峰は顔を綻ばせた。


(そんな心遣いにときめいた)


「・・・取れたぞ」
「ありがとうございます」
「おう」
「あと、女の子じゃないんですから気にしなくていいですよ」
「そうか」

触るのときちょっと戸惑って、いいか?って聞くのかわいいなと思いました
11/07/14