「みかプーって細見だけど触り心地いいよねー」
出会い頭に狩沢さんに抱きつかれ、身体を弄(まさぐ)られる。
「狩沢さん、痴漢みたいッスよ」
「んー、女性の場合でも痴漢って言うの?でも痴女って聞かないなあ」
「痴漢というよりセクハラじゃないですか……これ……」
いつもの軽い調子で会話を続ける狩沢さんと遊馬崎さん。
痴漢だとかセクハラだとかどっちでもいいけど、とりあえず解放してほしい。
「いやでも帝人君は細いですよね。ちゃんと食べてるッスか?」
「食べてますよ。それよりあの、そろそろ離してもらえませんか」
手付きが妖しくなってきたことやむず痒さを感じてそういうと、遊馬崎さんが狩沢さんを剥がしてくれた。
ずるいという言葉は空耳だと信じている。
「お二人はどうして僕を構うんですか」
ようやく解放されてほっと一息ついたところで、まだむず痒さの残る身体を擦りながら常日頃思っていたことを聞いてみる。
別に狩沢さんや遊馬崎さんと仲良くなるきっかけのようなものはなかったはずだし、二人のような趣味もない。
今でこそこんな風に仲良くさせてもらっているが、最初から狩沢さんはスキンシップ過多な気がする。
「私もゆまっちもみかプー見たときにティン!ときたんだよね!」
「ティンて・・・」
返ってきたのは、らしいような、でもよくわからないような理由だった。
たぶん感覚的なものであるということは想像がつくが、何を表しているのか理解できない。
からかいやすそうってことなのだろうか。……それは嬉しくない。
「まあ第六感ってやつッス!」
狩沢さんはボディタッチが激しくても許されると信じています。
10/03/15