ぼああ


いつもと違うこの感じ

「お前」
「あ!・・・あれ、えっと、」

門田に誘われ池袋に来てみたら、自称ダラーズの創始者に出会った。
声をかけると、顔は分かっているのに名前が出てこない様子で、うーんとうなり続けている。

「六条千影だ」
「すっ、すみません六条さん」

申し訳なさそうにぺこりと頭を下げる姿は、以前会ったときと印象が違って見えた。
もう少ししっかりしていそうな感じがしていたが、今自分の前にいる竜ヶ峰は、ただの大人しい高校生の雰囲気をかもし出している。
記憶違いだろうかと改めて見てみると、平凡ではあるがなかなか可愛らしい容姿をしている。
例えるならば、そう、小動物。
緊張して心持ち身を縮めているのが警戒心の表れのようだ。

「六条さんは今日は遊びに来たんですか?」

当たり障りの無いよう言葉を探っているのが普段付き合っている女の子たちとは違っていて、なんとなく新鮮だ。
別にそういう趣味があるわけではないが、おどおどしている姿を見ていると可愛いと思う。

「そんなもんだな。お前、これから暇か?」
「え、はい」
「なら一緒に行くか」

自然と手を取り、いきなりのことでついていけないのかぽかんとした顔の竜ヶ峰を引きつれ待ち合わせ場所へと向かう。
知らせてはいないが、別に一人ぐらい増えてもかまわないだろう。
数歩進んではっとした。

―――どうして連れて行こうと思ったのだろうか。

ふとした疑問はそう簡単に解決できるようなものではなさそうだ。
しかし竜ヶ峰はこの手を離せば答えを見つける前にすぐさま逃げ出してしまうだろう。

そんなこと、させるものか。

いつも女の子といるときとは違うこの感じも嫌いじゃないのは間違いないのだ。

(これが何か分かるまでは付き合ってもらおう!)



「悪りぃ、遅くなった!」
「いや、大丈夫だけどよ・・・、なんで竜ヶ峰がいるんだ?」
「僕もよく分からないです・・・」

ろち帝(´・ω・`)? そもそもこれろっちー?口調分からない。
ドタチンとろっちーの互いの呼び方もわかりません。わからない尽くしです。
初出10/03/18 改訂11/02/27